イギリスの税金事情(イギリスの所得税)
累進課税制で最大45%、給与明細の見方にも注意を
イギリスで働くうえで避けて通れないのが「税金」の理解です。特に所得税(Income Tax)は、給与から自動的に差し引かれる仕組みとなっており、手取り額に大きく影響します。日本とは異なる課税年度や税率体系を理解しておくことが、現地での生活設計に役立ちます。
所得税は4月スタート、累進課税制を採用
イギリスの所得税は、毎年4月6日から翌年4月5日までの課税年度で計算されます。税率は累進課税制が採用されており、所得が増えるほど高い税率が適用されます。
所得税の税率(2024/25年度)
所得帯(年間) | 税率 | 備考 |
£0〜£12,570 | 0% | Personal Allowance(基礎控除) |
£12,571〜£50,270 | 20% | Basic Rate(基本税率) |
£50,271〜£125,140 | 40% | Higher Rate(高税率) |
£125,141以上 | 45% | Additional Rate(追加税率) |
※ Personal Allowance(基礎控除)は、年収が£100,000を超えると段階的に減額され、£125,140以上で完全に消失します。
※税年度は毎年4月6日から翌年4月5日までで、これは日本と異なる点です。
所得税の納付方法:給与から自動控除
イギリスでは、雇用されている場合、所得税は「PAYE(Pay As You Earn)」制度により、雇用主が給与から源泉徴収し、税務当局(HMRC)に納付します。給与明細には、所得税(Income Tax)と国民保険料(National Insurance)が明記されており、手取り額はこれらを差し引いた後の金額となります。
自営業や副業収入がある場合は「自己申告」
自営業者や副業収入がある場合は、Self Assessment(自己申告)制度を通じて、年に一度、自分で税額を計算し納付する必要があります。申告期限は通常、翌年の1月31日までで、オンラインでの提出が一般的です。
税制の特徴と注意点
基礎控除(Personal Allowance)は年収が£125,140を超えると段階的に減額され、最終的にはゼロになります。
所得税とは別に、国民保険料(NI)も給与から差し引かれます。これは日本の社会保険料に相当し、年金や医療サービスの財源となります。
ボーナスや副収入も課税対象となるため、年収が増えると税率が上がる可能性があります。
手取り額の把握が生活設計のカギ
イギリスの所得税制度は、シンプルながらも累進課税による影響が大きく、年収が高くなるほど手取り率が下がる仕組みです。転職や就職の際には、提示された年収が「税引き前」であることを前提に、手取り額を試算しておくことが重要です。
また、税制は年度ごとに変更される可能性があるため、最新情報を定期的に確認する習慣も大切です。
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