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面接準備は検索だけでは不十分

転職者向け 面接ガイド - 第3章

表面的な情報だけでは足りない

企業について調べることは、面接準備の第一歩として多くの方が行っています。これは素晴らしいスタートですが、それだけでは不十分なこともあります。

本当に効果的な準備とは、企業のホームページや「会社概要」を読むだけで終わらず、さらに深く掘り下げることです。

たとえば、企業の価値観、最近のニュース、チーム構成、求人広告に使われている言葉などを繰り返し確認することで、一定の傾向が見えてきます。その結果、より的確な質問ができるようになり、自分の回答も自然に調整できるようになります。

情報が豊富な企業もあれば、ほとんど見つからない企業もあります。後者の場合こそ、アプローチの工夫が重要です。人材紹介担当者に相談したり、良い質問を準備したり、完璧さよりも明確さを意識することが求められます。

自分自身の棚卸しも忘れずに

履歴書や職務経歴書を見直すことは、当然のように思えるかもしれませんが、実際の面接では自分の経歴や成果をうまく説明できない方も少なくありません。

自分のキャリアを自信を持って語り、成功体験を強調し、それが応募している職務にどう結びつくかを整理しておくことが大切です。

情報が少ないときの準備方法

情報が限られている場合は、「すべてを知ろうとする」のではなく、「何が重要かを見極める」ことが鍵になります。


職務内容が曖昧な場合

求人情報を何度読んでも具体的な業務内容が見えてこないことはよくあります。

そんなときは、以下のような方法を試してみましょう:

  • キーワードや繰り返し使われているテーマ(例:成長、課題解決)を抽出してみる

  • 同業界の類似職種と比較してみる

  • 面接での質問を用意する:「最初の6か月で期待される成果は何ですか?」「典型的な1日の業務内容を教えていただけますか?」など

  • 担当者に相談する:求人の背景や、採用担当者が本当に求めていることについての洞察を得られることがあります

面接官の情報がほとんどない場合

事前に名前が知らされないこともあれば、オンラインでプロフィールを見つけも具体的な情報がないこともあります。それでも問題ありません。詳細な経歴を知る必要はなく準備を続けることが重要です。

  • 自己紹介を練習して、誰が相手でも自信を持って自分のストーリーを話せるようにしておく

  • チームの誰にでも通じるような質問を2〜3個準備する(例:最近取り組んでいて楽しかったプロジェクトは何ですか?)

  • 会話の早い段階で、面接官の役割や採用プロセスとの関わりについて尋ねることで、その人に対する関心を表す

未知の要素に惑わされない

多くの採用担当者は、自分の役割について聞かれれば喜んで話してくれます。それは信頼関係を築く良いきっかけにもなります。

「なぜこの企業なのか?」「なぜこの職種なのか?」「なぜ自分なのか?」

この3つの質問は、ほぼすべての面接で何らかの形で登場します。多くの方がここでつまずくのは、知らないからではなく、深く考えていないからです。

完璧なセリフを暗記するのではなく、自分のキャリアストーリーと結びつけて答えることが大切です。

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  • この企業の仕事や理念に惹かれた理由

  • この仕事が自分にどう結び付くのか

  • 自分はどのような価値を提供できるのか

構造的に話すためには、STAR法(状況、課題、行動、結果)を使うと良いでしょう。何をしたか、なぜそれが重要だったかを簡潔に説明できます。

よくある失敗:セリフを暗記して話してしまうこと

準備は自信につながりますが、汎用的なセリフをそのまま暗記して話すと、面接官の印象には残りにくいものです。自分の言葉で語ることが、信頼感や説得力につながります。

 

面接形式に応じた準備

多くの面接は、行動面接・技術面接・ケーススタディなどが混在しています。形式にこだわりすぎず、柔軟に対応することが重要です。

行動面接

技術面接

ケーススタディ

STAR法を使って、課題への対応やチームでの働き方を示す

考え方を声に出して説明する。完璧な答えでなくても、思考プロセスが評価されます

焦らず、明確な質問をする。面接官は「解決」よりも「考え方」に注目しています

面接形式が不明な場合は、事前に確認するか、面接の冒頭で聞いても問題ありません。

面接では、すべての答えを持っている必要はありません。

特に技術面接やケース面接では、アプローチの仕方と冷静さが最も重要です。

 

まだ準備が足りないと感じるときは?

「調べたのに準備不足に感じる場合」

実際には、思っている以上に準備ができていることも多いです。


準備とは事実を暗記することではなく、自分のストーリー、企業の理念、職務との適合性に慣れることです。


それができていれば、すでに多くの人よりも一歩先を行っています。

「緊張してしまう場合」

緊張するのは自然なことです。面接はカジュアルな場ではなく、あるフォーマルな場です。

  1. 声に出して練習(録音できればなお良し)

  2. 代表的なエピソード(STAR形式)をいくつか用意しておく

  3. 面接は双方向の場であることを忘れず、自分も企業を評価することを意識する

準備の目的は、すべての不確実性を取り除くことではありません。不確実性に冷静に対応できるようになることです。

自分のストーリーに自信を持ち、企業や職務についてもっと知りたいという姿勢があれば、すでに最も重要な準備はできています。

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