面接後に信頼を築く対応
採用担当者向け 面接ガイド - 第3章 内定後のフォローと不採用時の配慮が、企業の印象を決定づける
採用の「締めくくり」を丁寧に
優秀な人材の確保は、内定を出すことで終わるのではありません。本当のスタートは、内定後の対応から始まります。
なぜこの段階が重要なのか?
候補者は、面接中の対応と同じくらい、面接後の扱いを記憶しています。以下のような対応は、これまで築いてきた好印象を損なう可能性があります。
フィードバックの遅れ
次のステップが曖昧
事務的な引き継ぎのみで終わる対応
この「締めくくり」の段階こそが、採用が定着につながる瞬間です。
内定を出す準備が整ったら
100%の確信がなくても、前進することは可能です。以下の2点に「はい」と言えるなら、迅速かつ果断に動くべきです。
適切な支援があれば、この人は職務を遂行できるか?
持っている価値が、課題を上回っているか?
優秀な人材は他社からも注目されています。対応が遅れると、他社に先を越される可能性があります。
人材紹介担当者との連携ポイント
内定提示前後は、人材紹介担当者との密な連携が成功の鍵です。以下を確認しましょう
条件のすり合わせ(報酬、開始日、柔軟性など)
候補者に響く形でのオファー提示方法
対抗オファーや迷いへの備え
オファーのスピードとトーンは、候補者に対する評価の表れです。丁寧かつ前向きな姿勢が、信頼と安心感につながります。
| 不採用の場合も、丁寧な対応を候補者を不採用とする場合でも、その伝え方には細心の注意が必要です。面接でのやり取りや期待感がある中での「お断り」は、候補者にとって印象に残る重要な瞬間です。 直接フィードバックを伝えない場合
「断り方」には、その人や組織の姿勢が表れます。たとえ不採用であっても、誠実で丁寧な対応をすることで、企業の信頼やブランド価値を高めることができます。 |
「はい」の後こそ、信頼構築の始まり
候補者から口頭で承諾を得た瞬間は、採用活動のゴールではなく、信頼関係を築く新たなスタートです。退職手続きの中で対抗オファーを受けたり、入社への迷いが生じたりすることもあるため、この期間に積極的かつ個人的な関わりを持つことが非常に重要です。
オンボーディングは、初出社前から始まっています。
| 初出社までに実施すべきこと
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採用責任者からの温かい歓迎は、新入社員のエンゲージメントに大きく影響します。
「この会社に来てよかった」と思ってもらえるような関わりを、入社前から意識的に築いていきましょう。
まだ確信が持てない場合は、立ち止まって話す
面接を終えたものの、採用に踏み切る確信が持てない。とはいえ、すぐに「不採用」と判断するには惜しい ─ そんな状況に直面することは少なくありません。
このようなときは、判断を先延ばしにするのではなく、積極的に情報を整理し、次の一手を考えることが重要です。
迷ったときに取るべきアクション
人材紹介担当者に疑問点を共有する
→ 候補者の印象や懸念点を率直に伝え、第三者の視点を得ましょう。「もう一度話すことで判断材料が増えるか?」と問いかける
→ 再面談や追加の課題を通じて、見えていなかった側面を確認できます。「特定のスキルを確認できるか?」と検討する
→ 実務に直結するスキルや対応力を、具体的な方法で見極めましょう。自信を持って前進するために必要な情報を明確にする
→ 何が足りないのか、何を確認すれば納得できるのかを整理することで、次のステップが見えてきます。
「迷い」は、決断の遅れではなく、本当に重要なことを見極める機会です。
曖昧なまま進めるのではなく、立ち止まって話すことで、より納得感のある採用判断につながります。
採用の締めくくりチェックリスト最終段階では、以下のポイントを確認し、候補者との関係を円滑に締めくくることが重要です。 判断と共有
オファーの質と伝え方
不採用時の対応
オンボーディングの準備
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単なる「採用」ではなく、チームづくりである
面接は、チェックリストを埋める作業でも、カレンダー上の予定でもありません。チームに貢献し、成長し、刺激を与え、高めてくれる人材を見つける機会です。
完璧な面接方法は存在しません。しかし、明確さ、好奇心、柔軟性を持つことで、より良い判断ができ、関わるすべての人にとって良い体験を生み出すことができます。
そして、すべてを一人で行う必要はありません。人材紹介担当者は、役割の期待値の整理から、確信を持って採用を締めくくるまで、あらゆる段階で皆さまを支援するパートナーです。
面接や採用に関してお気軽にご相談ください。 |