「正解」は一つじゃない ─ エンゲージメントの多様性
当社が実施した調査(回答者806名)によると、チームエンゲージメントの最適な方法について、以下の結果が得られました。
43%:日々のコミュニケーション
25%:チームアクティビティ
20%:ランチやディナーなどの食事会
11%:一定の距離を保つこと
この結果が示しているのは、「これが正解」という一つの方法は存在しないということです。そして、それこそが今の時代において重要な視点です。
これまでのエンゲージメント対策
企業はこれまで、エンゲージメント向上のために様々な取り組みを行ってきました。
アフターワークの飲み会
誕生日カードやプレゼント
月例ランチや四半期ごとのディナー
チームビルディングやスポーツイベント
これらを心地よいと感じる人もいれば、逆に負担に感じる人もいます。
働き方や価値観は変化し、5年前には「楽しい」と思えたことが、形式的な古いイベントに感じられることもあります。
今求められているのは、決まった方法ではなく、チームメンバーの一人ひとりに合わせて柔軟に対応する姿勢です。
チームは多様な考えを持った人たちの集まり
チーム文化とは、「全員を同じ方法でまとめること」ではありません。
大人数の集まりを楽しむ人
少人数の交流を好む人
カジュアルなやり取りを歓迎する人
目的を持ったやり取りだけを望む人
一定の距離を保つことで力を発揮する人
頻繁なコミュニケーションから学ぶ人
こうしたスタイルを「例外」として扱うのではなく、その人の「特徴」や「選択」として尊重することが、強いチームを作るためには必要です。
それぞれの「つながり方」を尊重する
エンゲージメントは、必ずしも目立つ行動で示されるものではありません。
イベントには積極的に参加しないが、業務には全力を尽くす人
忠誠心を声高に語らずとも、企業やチームに貢献し続ける人
それぞれのエンゲージメントの方法を理解するには、こう問いかけることが大切です。
「あなたが職場で最もつながりを感じるのは、どんな時ですか?」
答えは一つではないはずです。その多様な答えこそがチームのエンゲージメントを高めるヒントになります。
一つのやり方に頼らず選択肢を広げる
効果的にエンゲージメントを高めるためには「組み合わせ」が必要です。たとえば:
日々のコミュニケーションで方向性を共有
参加を任意とし強制しないアクティビティや食事会
「発信」だけでなく「観察と傾聴」を意識する
一つの方法が他を排除する必要はありません。多層的に組み合わせることで、誰もが関われる仕組みが生まれます。
「楽しいチーム」の再定義
楽しさは、必ずしも賑やかさではありません。
カラオケやビンゴ大会だけが答えではなく、相互の尊重、成果の共有、締め切りの合間の軽い会話も、楽しさの一部になり得ます。
外向的なエネルギーだけを「良い企業文化の証」とする考え方では、置き去りにされる人も出てしまいます。
目指すべきは、「人々が安心し、認められ、自分らしく力を発揮できる環境」。
それこそが、築く価値のある企業文化・チーム文化です。
静かな変化は、すでに始まっている
「正しいチームの雰囲気」は、一つに定義されるべきではありません。
大切なのは、メンバーの誰にとって何が機能し、何がそうでないのかを理解すること。
すべてのメンバーが自然な状態で活躍できるとき、「含まれている」と感じるだけでなく、「属している」と感じることができます。
今、あなたのチームに必要なものを知りたいなら、まずはこう尋ねてみてください。
「あなたが職場で最もつながりを感じるのは、どんな時ですか?」
答えが一様でなくても、それは問題ではありません。
その多様な答えこそが、あなたのチームを導く地図になるのです。
イギリスにおける転職・採用に関するご質問またお困りごとなどがございましたら、お気軽にご相談ください。 |