イギリスでの転職時の年収変化率|JAC Recruitment調査
イギリスでの転職活動において、企業から提示されるオファー年収は、次のキャリアを選ぶうえで非常に重要な判断材料となります。
JAC Recruitmentでは、2025年上期(1月〜6月)に当社を通じて転職された方々のデータをもとに、転職時の年収がどのように変化したかを分析しました。
本調査では、転職者が受諾したオファー金額が、現職または前職の給与と比較してどの程度増減したかを算出。業界別・VISA種類別に分類することで、より具体的な傾向を明らかにしています。
なお、本調査結果は当社の紹介実績に基づくものであり、市場全体の傾向を示すものではない点にご留意ください。
業界別
2025年上期(1月〜6月)において、当社を通じて転職された方々の給与は、現職または前職と比較して、グロスベース(税引き前の総支給額)で平均12%の増加となりました。この結果は、転職市場全体において給与水準が上昇傾向にあることを示しており、転職者にとっては好機となる時期であったと言えるでしょう。 業界別に見ると、給与の変化率には明確な差が見られました。特にIT業界では+18%、製造・商社業界では+15%、金融業界では+9%、そして業界を問わないバックオフィス系職種では+11%と、いずれも前職より高い給与での転職が一般的となっています。これらの業界では、専門性の高い人材への需要が継続しており、企業側が競争力のある報酬を提示する傾向が強く見られました。 一方で、サービス・消費財業界においては、唯一、−4%の減少傾向が確認されました。この業界では、前職よりもやや低い金額でのオファーを受諾するケースが一定数存在しており、他業界とは異なる動きが見受けられます。 |
この減少傾向の背景には、いくつかの要因が考えられます。特に大きな要因として挙げられるのが、営業職におけるインセンティブ比率の高さです。その結果、オファー時に提示される基本給が控えめとなり、表面的な給与水準が他業界と比べて低く見える傾向が生じています。
加えて、調査期間中に未経験者の採用を積極的に検討する企業が、同業界では他業界と比較して多かったことも、平均給与水準を押し下げる要因となりました。未経験者の採用では、初期の給与設定が抑えられる傾向があるため、業界全体の平均値に影響を与えたと考えられます。
保有VISA種類別
2025年上期(1月〜6月)において、当社を通じて転職された方々の給与変化率を、保有しているVISAの種類別に分析したところ、すべてのケースにおいて転職前の給与からの上昇が確認されました。 • 期限ありVISA(YMS・PSWなど):+11% • 期限なしVISA(ILR・VISA不要のローカル人材など):+8% • VISA新規取得(Skilled Workerスポンサー):+36% |
特に、VISA新規取得者の給与上昇率が際立って高かったことが注目されます。この背景には、いくつかの要因が考えられます。
まず、VISA新規取得者の多くが国をまたいでの転職を行っており、グローバルな人材移動の中で、現地企業が高い報酬を提示する傾向が強かったことが挙げられます。加えて、彼らの多くがローカルマーケットでは採用が難しいスペシャリスト人材であり、企業側が競争力のある給与水準でオファーを提示する必要があったことも影響しています。
さらに、特に日本からの転職者においては、日本国内の給与水準の低迷や円安の影響が、現職・前職の給与水準に反映されていたことも、転職後の給与上昇率を押し上げる要因となりました。これにより、英国で提示される給与とのギャップが大きくなり、結果として高い上昇率が記録されることとなりました。 2025年上期(1月〜6月)において、当社を通じて転職された方々の給与変化率を、保有しているVISAの種類別に分析したところ、すべてのケースにおいて転職前の給与からの上昇が確認されました。
調査概要
転職時の年収変化率 <※JAC Recruitment調べ>
調査目的:本調査は、転職者が受諾したオファー金額が、現職または前職の給与と比較してどの程度増減したかを分析し、転職時における年収変化の傾向を把握することを目的としています。
調査対象:2025年1月から6月の期間中に、当社を通じて転職・就職された方々です。実際にオファーを受諾された方々のデータをもとに、年収の変化率を算出しています。
留意点:本調査結果は、当社の紹介実績に基づくデータをもとにしたものであり、あくまでも当社における傾向を示すものです。したがって、一般的な市場全体の傾向を反映するものではない点にご留意ください。
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